最後の温度。

2002年12月4日
君の温度。
その腕の力。
肺から空気が全て零れ落ちるくらいの、
そう、痛いくらいの。

最後に君がくれたその温度は
背をまさぐる大きな手と長い指は


もう、永遠にあたしに触れることは無い。


「なんでだろ、別れてからのが綺麗に見える」
畜生、と呟いて苦笑した君の気持ちは今どこにあるんだろうね。
あたしだけだって言ってくれたのが、
全部終わっちゃった後だったなんてね。

似すぎてたのだと思う。
余りに近く、
どこまでいっても拒否反応の出ない臓器移植のように
互いの脳を侵蝕し過ぎた。
自分の中にある傷を、
同じように相手の中に探し出して安心してた。
どこまでもだらだらと潜り続け
気が付いたらこんなところまで。


“いつかきみはいなくなるのに”


そんな当然のことが 怖くて 怖くて


いつからか違いが出てくるのが怖くなった。
本当のことを言う回数がどんどん減っていった。

君といると、苦しくて。


あなたの前では泣いてばかりいた。


小さな誓い。
もう二度と
君の前で泣いてなんかやらない。


それでも
どんな風に理屈重ねても
ただひとつどうしようもない真実がひとつ。
やっと分かった簡単なこと。


好きで、好きで、好きで好きで好きで好きで好きで好きで

もう、頭の中乗っ取られるくらいどうでもいいと思ってしまうくらい
君が好きで仕方在りませんでした。


なにひとつ表現できなかったふたりだけれども
せめてこの五階建てのビルの屋上から見た景色と
真冬の痛いくらい寒い空気と
寒くて寒くて震えるあたしを抱き締められないあなたと
彼氏彼女というカテゴリーにいた時には存在しなかった
ふたりの間のひとり分の隙間と。


全部抱えて。
くやしいので、いい加減前に進もうかと。


いまでも 君が大事です。
君がそう思ってくれているのと全く同じように。

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